隠岐・大山国立公園旅行記 その8(最終話)『雄大な大山を後にする』

ドライブしている途中で気がついたことは、もうしばらくするとメガネの特招会があるので、そのために、何か季節の草花を飾ればいいのではないかと思っていたことです。今は秋で、大山の草原にはススキの穂があちらこちらで見えていました。

そうだ、今は秋だ、このススキの穂を刈り取って帰れば、ちょうど季節の演出になると思いました。経営者は大山にいても会社のことをいつも考えているのだなあと思い、これはなかなか旅を楽しめない性(さが)かなあと思ってしまいました。

しかし大山は雄大で、私がそんなことを考えていることも、大きく懐に入れてくれて、松葉君良く来たなあと、美しい姿を見せてくれます。帰る時間がきて少しずつ大山から離れて行くにつれ、大山の姿は段々小さくなっていきます。この次にまた大山に来るときは、どんな気持ちを抱いて大山に上るのか、これも楽しみです。   高速道路を使わないで、地道をとって車を走らせていると、思いがけなく道の駅がありました。

蒜山高原の土地から収穫された大根やネギなどの野菜を買いました。

周りを見れば、なんと蕎麦の畑があり、ちょうど蕎麦の花が畑一面に咲き開いていました。

季節は秋に向かっていることが高原の少し気候が先に秋を迎える蒜山で感じました。 もうそろそろコスモスの花が野辺に咲いています。コスモスの花は、植物の分類の中では、もっとも進化した植物と言われています。 コスモスは宇宙を意味します。どうしてコスモスは宇宙なのか、それは、進化が一番進んでいるからです。

カメラを取り、少し離れた蕎麦の畑に行ってみました。

蕎麦の花を見るのは、蕎麦屋さんに写真の額を掲示しているのを見て知っていましたが、すぐ近くで今咲いている蕎麦の花を見るのは、初めてです。

少し目を遠くに向けてみると、木の箱がいくつか並んでいました。 なにかなぁと興味を持って調べてみると、これは養蜂家がミツバチをこの蕎麦の畑に置き、蕎麦の花から出る蜜を採集していることがわかりました。 蜜の味は、花により微妙に違いがあります。

ハニーテイストと言われるように、蜜の味は甘さを秘めた反面、実は危険性も秘めているのです。なぜハニーテイストは危険かというと、それは、ハニーは愛する女性のことで、この甘さに溺れてしまうと自分を見失ってしまう危険性があるからです。

さすがに大山蕎麦があるように、蕎麦畑のすぐそばには蕎麦屋さんがありました。是非本場の蕎麦を食べたいものと、奥さんと行っててみましたが、実に残念ながら、本日はお休みでした。蕎麦屋のプライドは、「売り切り御免」にあります。

少々客が立て混んだぐらいで、慌てて蕎麦打ちをするようでは、蕎麦屋のプライドに廃るようです。俺の味が分かる奴だけに俺の蕎麦を食わせてやるんだと、言うぐらいの蕎麦職人のプライドが蕎麦屋の店先にはプンプン匂っています。

残念ながら、今日の蕎麦は食べ損ねました。すぐそばにある高速道路の入口に入り、このまま米子道を通って、中国道へ乗り換え、そして六甲山を下り、家に帰宅した頃は、秋の早いつるべ落としの夕陽はすっかり沈み、周りは夜の帳に包まれていました。

待ってくれていたのは、かわいいかわいいりんりんの鳴き声でした。2泊3日の隠岐・大山の旅行は、これで終わりました。ご愛読ありがとうございました。