隠岐・大山国立公園旅行記 その4『隠岐の島の豊かな自然~滝、水田、新鮮な魚~』

壇鏡の滝を見て、再び車に乗り、佐山の牛突き場を目指します。隠岐の島後(どうご)は、ほぼ円形で、周囲はぐるりと海に面し、中央部分は山岳地帯になっています。地域は、五箇、都方、西郷、布施、中村の5つの地区からなり、市町村合併により隠岐の島町に統合されました。

牛突き場に行く途中で、また道の途中に滝がありました。これぐらいの滝が神戸にあれば、布引の滝として観光名所になるのですが、隠岐では珍しくも無いほど の無名の滝の一つでした。1つ1つ滝の名前は書いていません。やはり先ほどの壇鏡の滝と同じように洞窟のようなものがありまして、その裏から見るとまたき れいだろうと思います。

佐山の牛突き場に来ました。竹のガードレールのようなもので囲った中で牛突きをやります。直径は20mくらいでしょうか。西と東の入口があります。

そこから牛が入ってきて角突きをやります。もともとは後鳥羽天皇をお慰めするために始まったそうです。


沖縄でも見ましたが、闘牛の人気は沖縄もすごいです。隠岐の島で成長した牛は徳之島に売られる、あるいは沖縄に買われていくそうです。ちょうど相撲部屋が地方にスカウトに行き、有望な若い力士を入門させるようなものでしょうか。将来有望な闘牛を早い時期から発掘し、試合に出して自慢するのが男のロマンなのでしょうか。

農村地帯には水田が広がり、今は天日干しの時期で、稲穂を刈り取り、棚に干していました。この辺りは水がいいのでしょうか、とっても美味しいお米ができる ということです。お米は干すとおいしくなります。しかし雨に濡れると大変なのですぐに取り込まなないとなりません。芽が出てしまいます。これが大変なんで す。

もちろんスズメやカラスが狙って、稲穂をついばみに来るはずです。禽獣との戦いです。私はお米が大好きなので、直接農家の方にお米を分けていただくようにお願いしてみました。田んぼに下りて、農作業中のお百姓さんに天日で干しているお米を いただくことをお願いしてみました。耕作者の名前は藤田さんです。場所は皆市です。藤田さんは願いを聞き届けていただきましたので、あと一月もすれば、新 米が送られてくるのが楽しみです。

新米が届けば、バラ寿司がいいのか、たまごご飯にしようか、海苔に巻いて食べようか、考えるだけで、喉に唾が湧いてきそうです。干したらずっと干しているわけですけど、途中スズメが来ることも、雨が降ることもあります。幸いなことに今年はスズメが少ないそうです。これにも裏作があるのでしょうか。

そろそろお昼時になったので、どうしようかと飲食店を探しながら、運転をしていました。それがラッキーなことに、たまたま寄った公園に行くと、そこではお魚を売っている売店がありました。

親切な店の方が、私の奥さんのお願いを聞いてくれて、店で買った魚を、お造りに造ってくれました。

驚いたのは、値段です。大きなカワハギがなんと、1匹150円です。

これをさばいて刺身にしてくれました。特においしかったのは、肝です。鮮度のいいカワハギの肝は口の中でとろけるような柔らかさでした。

ハギのお刺身、それからアワビ、イカの盛り合わせです。たった一つ残念なことがありました。それは、ドライブ中なので、ビールを一緒に飲めなかったことです。お刺身は入手できたので、次はご飯です。

ちょうど向かいにレストランがあって、そこでおにぎりを分けてもらい、それを持ってきて海の見えるところで食べました。おにぎりは「爆弾おにぎり」です。1個300円で、1個で満腹になるほどの大きな丸いおにぎりでした。

外側は海苔で巻いていて、中にはしょうゆ味のふりかけが入っていました。思わぬ昼食の用意ができて、お店からお皿を借り出し、すぐそばの海を芝生の上で座って見ながら、いただくことになりました。ピクニックのような気分になり、とても嬉しく、子供のように食べました。ご馳走様でした。