2004年12月 スマトラ島沖地震

去る12月26日、スマトラ島沖で地震が発生し、津波によるすさまじい被害をもたらしています。

発生から日時が経過するにつれ、被害の大きさは予想以上に広がっています。12月29日の現在時点でも、既に犠牲者は5万人を超えたとの報道があります。あまりにも大規模な天災なので、予定の原稿を変え、スマトラ沖地震について情報収集に取り組んでみました。
[ジャカルタ 2004年12月26日 ロイター] インドネシアのスマトラ島で現地時間午前7時59分頃、マグニチュード(M)6.4の地震が発生した。同国の観測機関が明らかにした。
一方、米国地質調査所の観測では、地震の規模はマグニチュードは8.1で、震源地はスマトラ島の西方沖、震源の深さは40キロとしている。
(ロイター) – 2004年12月26日13時46分更新
私たち神戸市民は十年前に突然の未明の地震に見舞われ、大変な天災の恐ろしさを体験しました。あの時は、私たちは被害の状況と安否情報をより多くの人に知っていただき、私たちのおかれた状況を理解していただけるように情報発信をしたいと思いました。

今回のスマトラ沖の地震はその規模が一国一地域にとどまらず、インド洋を介して遠くはアフリカにまで津波が被害を及ぼしています。

このような地球規模の天災については、グローバルな視点で見ることが被害をよりわかりやすく理解できるのではないかと思い、スタッフのS君の技術協力を得て、社長研究室においても人工衛星を使った画像の収集にトライしてみました。

アメリカのデジタルグローブ(digitalglobe)社のホームページにて、人工衛星QuickBirdのサンプル画像が公開されているのを見つけました。スリランカの海岸の様子を地震発生のわずか4時間後あまりに撮影した画像だそうです。

このサンプル画像の興味深いところは、津波の前と後の比較写真が掲載されいていることです。

今にも市街地を飲み込まんとする怒涛のような津波が海岸線に迫っている瞬間の画像が映し出されています。普段、静かな優しい海もいったん自然災害が起きると、画像に表れたような猛々しい顔に豹変することがわかります。

地震発生前の様子(2004年1月)
地震発生後の様子
写真をクリックすると拡大画像を表示します。
(Jpg形式、61.3Kb、818×500pixels)
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(Jpg形式、79.5Kb、842×500pixels)

地震の発生後、津波は地震の方向に対し90度反対方向に左右に波及します。したがって、今回の大規模な地震が南北とすれば、津波は東と西の方向に波及していきます。

そこで、今回の被害を受けた地域は一定の方向に大きな被害を及ぼしたことが理解できます。

プレートが移動するというような地球規模の活動の前には、私たち人間が対処できないスケールの大きさがあります。

しかし、なぜ今、このような地殻変動が起き、それがどのように地震を引き起こし、その反動でどのような方向に津波が広がり、その結果私たちの日常生活にどのような予防をすればよいか、ということは大きな教訓を示してくれています。

10年前の阪神・淡路大震災と比べ、現在では多くの情報を一般市民の私たちも比較的容易に収集することができています。この情報は、単に情報として終わるのではなく、この情報技術を生かし、被害の全貌を市民レベルでも把握することで、少しでも救援のお手伝いができるようにと願っています。