大阪府立大学大学院社会人大学院:経営学特論(講師:石井真一先生)

大阪府立大学大学院の履修プログラムは、大きく分けると、前期と後期に分かれます。前期は4月から8月初旬となり、それがさらに前半と後半にわかれます。

石井真一先生の講義は、前期の後半に担当されました。時々ご自分のことについても体験談がありました。四国のご出身ということで、うどんがお好きなようです。

なんばサテライト教室には、麺ばかりを集めたお店「麺だらけ」があり、ここで四国のうどんを食べるのが講義に来るときの楽しみの一つですという枕から講義が始まりました。

講義の様子については、石井先生の承諾をいただき掲載をしています。

2005年6月3日(金)、経営学特論のオリエンテーションです。前期の後半として、前半の上野恭裕先生から替わった石井真一先生の講義です。

まず最初に、受講生に対して、講義の進め方と評価の方法を明らかにしました。出席(2%×7)、発表(30%×2)、レポート(20%)、個人カード(5%)で判断します。

受講生全員が2回の研究発表の機会が与えられます。2,3名のグループ研究形式で、まず初日に誰がどの研究テーマを選ぶか、早い者勝ちで埋めていきました。

個人カードとは、石井先生が学生を理解するために自分の写真を添えて出すことになります。石井先生は、神戸大学の加護野忠男教授の門下生です。受講生のカードを作り、名前を覚え、名前を呼んで会話をするという講義のスタイルは、加護野ゼミの特徴でもあります。

石井先生は、大阪市立大学大学院経営学研究科助教授で、府立大学大学院では、非常勤講師として講義を担当していらっしゃいます。

著書の「企業間提携の戦略と組織」を教科書に使います。主に自動車産業界の戦略についての研究書です。


2005年6月10日(金)の第二回目の講義では、さっそく3組のチームの発表がありました。

2人か3人でチームを作り、一つの与えられた課題に対して発表を行い、そして全体で討論をしていきます。

いずれも大企業を中心とした組織論で、製造業が中心となっています。学生の皆さんは、メーカーの勤務経験がある方は理解できるようですが、製造業に関係していない方は、話の内容が難しいという印象でした。

この講義は先生は聞き役で、学生のみなさんが自分達で発表を行っていきます。

大学院の講義では、先生が中心となって講義を進めるタイプと、学生に予習をさせ発表をすることで、学生が中心となって講義を進めるタイプがあります。

石井先生の講義の進め方は、課題を予め出し、発表者が発表した内容について、受講生全員が問題点を討論し合う楽しい講義の進め方です。

受講生は社会人なので、有名な企業に勤務した経験や、幹部社員として企業を動かしていた人もいます。

そうなると、講義は現場の体験が入った、実践的な研究に入っていきます。

自動車メーカー、家電メーカー、機械メーカー、教職員、経営者など、社会経験を積んだ学生の皆さんの議論に対し、最後、一番後ろで聞いていた石井真一先生がまとめの発言をされます。

企業間提携について積極的な意見と、提携に消極的な意見などが出て、これが正しいという絶対的な正解はないのですが、議論することが新しい社会科学を理解することになります。

そのためのケーススタディをこれからも続けていきます。

2005年6月10日